アレルギー症状にも関連が!腸内環境を整えるには?
グルテンやカゼインという言葉を、きっと一度は耳にしたことがあると思います。この、グルテンやカゼインが私たちの健康に影響を及ぼしていることを、ご存知ですか?今日は、そのことについてお話ししたいと思います。
グルテンって何?
グルテンは麦加工食品に含まれ、麺に弾力やコシを与えたり、パンのふわふわ感を出したり、その他、調味料やソーセージの添加物などにも利用されています。
なぜグルテンが問題視されているかというと、グルテンを含有している今の小麦は遺伝子組み換えが進み、グルテンそのものの遺伝子構造が変化しています。そのため、グリアジンというタンパク質が増えて、花粉症、アトピー、喘息などの一因となるからです。
グリアジンにより、小腸の結合組織が損傷して栄養素の吸収不良をきたし、必要な栄養素を消化吸収できなくなってしまいます。さらに、アミノ酸に分解されなかった未消化タンパク質を異物として免疫システムが攻撃すると、アレルギー症状が出やすくなります。
また、アミノ酸のプロリンも多く含まれていて、胃や膵臓の酵素では分解されにくいため不完全な消化となり、健康被害をもたらします。
もう一つの問題は、小麦製品にはアミロペクチンAという糖質があり、それが血糖値を急上昇させてしまいます。
カゼインについて
次に、カゼインは、牛乳や母乳などに含まれるタンパク質です。
乳汁中のタンパク質は、このカゼインとヨーグルトにある、透明の上澄み成分である乳清タンパク質【ホエイ】に分けられます。
カゼインと乳清タンパク質の含有量比率は、母乳の場合は4対6、牛乳は8対2です。特に問題なのは、牛乳に含まれるカゼインは分解されにくく、未消化のまま腸に入ると腸粘膜を傷つけて炎症を起こすことです。この炎症が続くと、いわゆるリーキガット(腸漏れ)症候群になります。リーキガットとは、腸管のバリアが崩れて、本来は体内に取り込まれない異物が侵入し、炎症やアレルギー反応を起こすことを言います。
カルシウムとマグネシウムは、互いに協力しながら恒常性を保っていますが、牛乳は、マグネシウムは少なくカルシウムが多いため、バランスが悪いのです。
通常は1対1が望ましいのですが、牛乳100gあたりカルシウム110㎎、マグネシウム10㎎<日本食品標準成分表2015>なので、11対1です。
これでは、バランスを崩して様々な弊害が起きてしまいます。日本人は、乳製品に含まれる乳糖に対し不耐症が多く、乳糖を分解する酵素のラクターゼが体内で作られにくいと言われています。このため、下痢、腹部膨満感などの不快な症状が生じ、腸内細菌へも影響して腸内環境を乱します。
腸内環境を整える事が、免疫力の増進のためにも大変重要です。
私たちが日常よく摂取する食べ物や飲み物に含まれるグルテンやカゼインにも、気を付けていただければ幸いです。